平成16年度第28回全日本ローンコートベテランテニス選手権大会参戦記


                                         渡邊 健一(S28年卒)


去る11月8日より10日、佐賀県のウインブルドン九州テニスクラブ(天然芝コート)にて行
われた上記大会に参戦いたしましたので皆様に以下御報告申し上げます。

パートナーのS30佐野君が海外旅行で留守にすると言うから(結局試合前日に帰国して家へ
帰らずコートへ直行してS32善野君と組んで70歳ダブルスに出場)それなら75歳シングル
スをやってみるか、と申し込みました。しかし日頃ダブルスばかりやっているので、「自分の」
シングルスの戦い方、勝ち方を全く忘れてしまっており、試合前善野君を含め、泥縄式に9
セット程練習試合をして選手権に臨みましたが、自信は戻りませんでした。 その上、戦績が
ないのでノーシードながら、外野席は「渡邊が75歳1年生でもあり、優勝候補一番手」と興味
本位にはやしており、「勝たねば・・・・」との思い、それが大変なプレッシャーになりました。

「自分の」シングルスのやり方を十分思い出せぬまま、試合は始まりました。 1回戦の相手は第2シードで前年優勝のデイフェンデイング・チャンピオン、コートは慣れぬ天然芝、緊張しましたが、幸いビビルこともなく、無難に突破できました。次のSFはセカンドセットでノーアドを2ゲーム落として一寸接戦になりましたが、一度もリードは許さず勝ち上がりました。優勝戦の相手は今年の関西選手権優勝、全日本のランナー・アップで第1シードの矢沢さん、シングルスのスペシアリストで、うるさく、嫌な感じでしたが、この頃からやっと「自分のシングルスのやりかた」が出来るようになり、意外に簡単に勝てました。

優勝を決め応援席に応える

優勝楯を手に
久しぶりのシングルスはダブルスに比べ、体力の問題もありますが、今回の私の場合は精神的プレッシャーとの戦いでした。 かつてもう勝負を超越出来、どんな時でもテニスを楽しむ余裕のある精神状態を体得したと思った時代が一時期ありましたが、そんな余裕は全く無くなり、75歳になってもなお「悟り」は開けぬもの、難しいものですね。
今回は海外旅行から直行して試合に参加した佐野さんは矢張り練習、鍛錬不足がたたり、両脚が痙攣し、勝てる試合を落としました。たゆまぬ訓練が必要との教訓です。しかし佐野、善野両君は自分の試合もないのに、延泊して最後まで私の応援に専念してくれました。なんと嬉しかったことか、KUTCの友情と団結の真髄を見た思いです。観客のみなさんも感銘を受けたことと思います。あらためて両君に厚く御礼申し上げます。
先日の現役男女の昇部、全日本での福永君の優勝に加え、今回の私の優勝が来年の創部100周年にもう一つ花をそえさせてくれたと思えば、ほっと一安心と言うところです。

                      以上

応援の佐野氏(右)・善野氏(左)と共に

注)善野さんによりますと 本大会は先月あった名古屋の全日本に次ぐ2番目に位置する権威のあるもので芝生のコートの試合では
   日本一と言うものです。 
   主催は財団法人 日本テニス協会
   主管は九州テニス協会。佐賀県テニス協会